怒られ慣れるってのも難しいと思うのです。
若い番頭さんが、段取りのミスで怒られ凹みまくる
休憩時間に車の中を覗く。
すると、元受の若い番頭さんが、誰もいない車の中で電話でペコペコ。
明らかに怒られてる様子です。電話が終わったの見越して話しかける。
すると「もうカクカクシカジカで、てんやわんやで、どうしよう・・・・」
と怒られすぎて一人パニック。
僕は「とにかく落ち着いて。先輩や上司に電話して聞いてみたら。」
すると「でも・・・また怒られるし・・」と番頭さん。
「怒られるのも仕事のうち。どうせ黙っていてもすぐバレテ怒られる。結果は一緒やで」
「そうですよね」
「そう。自分の先輩もよう怒られてたで。だから大丈夫。アドバイスくれるよ」
すると、電話をかけ始めた番頭さんでした。
ここで、フトおっさんが思ったことを書いていきます。
人間怒られすぎるとダメになる
「若いうちは怒られてなんぼや!」と僕も若いころはそう言われて、
しょっちゅう怒られてました。
なんせ、「気の荒い」職人の世界。
毎日、毎日、怒られ、理不尽なことでも怒られて、耐えまくって仕事を覚えてきました。しかもその当時はまだ「仕事は目で見て盗め」の世界。
だーれも教えてくれません。泣こうが喚こうがいきなり現場に一人で放り込まれ、
失敗して怒られて覚える。
毎日そんな生活ですから、そのうちに「すいません」と顔だけは誤り、心は「やかましいわ!いつか見とれよ」となっちゃいました。
でもその当時は「怒られて死のうとか、オレもうアカン」とかは、まったく思いませんでした。
怒る人も真剣に上手に怒ってくれたから
これに尽きると思います。
僕を怒ってくれた先輩たちも「普段」は気のイイおっちゃんでした。
怒るときも、真剣な眼差しで怒ってくれましたし、更に追いつめるような怒りかたや、ただの感情で怒ることはありませんでした。
更に必ず逃げ道のある起こり方でした。今思えば本当にありがたいです。
誰かが怒ると必ずフォローの先輩が出現
そして、僕が怒られると、必ずどっかから先輩が「飯でもいこか」と誘ってくれました。これも後から解かるのですが、「怒った先輩」が頼んでいたそうです。怒ったしフォローしてと。
僕ら現場の人間の良いところは、強面でも人情熱い人たちが多い世界です。
今は僕もいつのまにか逆の立場になりました。
怒り方が下手な人が怒るとただの「イジメ」になってしまう
こんな怒られ慣れした僕でも、さすがに凹んだというか・・・エグイこともありました。
明らかに悪意のある怒られ方をされると「人を死に向かわせる」ことがある。
しかも囲まれ逃げられない中、密室での長時間の罵倒。
これは正直、精神を破壊されました・・・
この場合は悪意あるときですが。
でも怒られたことがない人が、人を怒るとどうなんでしょう。
怒り方が分からないから、単なる感情で追いつめる。
理詰めで心の逃げ道を無くしていく。
そんな怒り方を毎日されたら、さすがに誰でも「心」が折れてしまいます。
僕のお世話になった先輩は
「怒るときは逃げ道も作ってあげないとあかん」
と言われてました。
「追いつめても人は納得や反省はしない」
「壊れるか恨むかの2択になってしまう」
「そうならない為には自分以上の人にとの思いで怒る。・・・愛情というか。それに、いつか歳いった時に怒った人たちに、逆に仕事で使ってもらわへんとあかんしなぁ!」
とガハハ笑いしてました。
今の人たち?そんな言い方もおかしいですが、怒られ慣れてないというのも違うような気がします。
怒る方も怒られるほうも、互いに慣れてないのだと思うおっさんでした。