堕ちる!落ちる!おちる~!
今週のお題「ゾクッとする話」
という事で、幽霊とかお化けとかは、経験が無いので、ヒヤリハッとの話しでも。
高所作業は危ないのだ
僕の仕事は現場作業の職人です。
20代前半に入り、結構仕事も覚えてきて、いよいよ現場を任されるまでになった頃。
その当時ですが、安全にはまだまだ煩くなくて、しかもお金を安全器具などに、
かけない時代です。
そんな時代に既存のビルの屋上作業。
作業内容的には、既存のビルの設備関係の老朽化にともなう更新工事で、
内容的にもそんなに難しい事は無いので、親方に任されていました。
そして、
その日は撤去作業が中心になっており、
古い設備を撤去してました。
この当時の古いビルは、屋上に誰でも登れないようにするためなのか、
階段ではなくてタラップと呼ばれる「ハシゴ」が壁に着いてます。
普通は人が待機出来る「踊り場」と呼ばれる、一畳ぐらいの場所にタラップが着いているのですが、そのビルはなんと!
窓枠に50センチ角の踊り場が着いてました!
そんな狭いところで、踊りなんてできませんよね!
ですから、当時の合方と手渡しで、撤去材料をタラップから、踊り場、そして、窓と手渡ししてました。
かなりの危険作業ですので、気楽にすることなんてできません。
そのビルは5F建ての地上から約15Mの高さ。
そんな5Fから物を落とすなんて・・・・考えただけで恐ろしい結果が見えています。
下を見ればたまに歩行者や車。
手に汗が流れる嫌な感じです。
それでも、なんとか撤去材料をおろし終わりました。
次は更新作業に入ります。
今度は逆のパターンで材料を上の屋上に手渡しで上げます。
これも何とか終わりました。
これで。屋上での更新作業に入ります。
事故はいつも油断から!
あっけなく更新作業も終わり、屋上の後片付けも完了。
もう帰るだけの段階。
相方が先に降りて、僕が屋上を最終点検。
そして確認が完了して、あとはタラップを降りるだけ・・・
そしてまさかの事態が!
タラップの真ん中ぐらいまで降りたときに、ズルっと
急に足が滑り、僕はタラップから滑り落ちました!
もう頭なかはパニックを通り越して、
「あっ。もう落ちて死ぬんだ、痛いの嫌だな~」
などと思ってました!
これは、不思議なんですけど、以外と冷静でした。
だって落ちたら15M落ちて死ぬんは解ってますから。
ガツン!!
と突然足裏に衝撃が!
更に両手にタラップがなぜか握られています!
「助かった・・・・・」
「おい!大丈夫か?」
相方が叫んでます!
「なんともないわ」
「そう・・・もうあかんと思ったわ」
「おれも・・・」
そして、窓枠から建物に入りました。
両足はガクガクと震えています。
なぜ助かったのか?
それは、偶然にも真直ぐに転落したために、
50CM角の踊り場に両足から着地!
さらに「ワシっ」と自然にタラップを掴んだ為。
凄い確率での偶然!奇跡です!
もうガクブルで飛んで帰りました。
幸いにもケガも全くなしでした。
今だったら、こんなこと起こらないように、
足場を組み上げるんですけどね~。